"Variances" (2019.3 Acrylic Painting )
秋田公立美術大学卒業・修了研究作品展2019 (秋田県立美術館)
W5800×H1530×D180cm
私は日記のように日々の忘れたくない事をテーマに形を描く事で、当時の記憶や感情を自分だけではなく、鑑賞者の記憶や記録に形を変えてでも残し続ける絵画の１つの役割としての「記憶に残す行為」としての表現を目指してきた。本研究では１つ１つ何らかの記憶が込められた形同士が関わり合う「群像画」としての構成によってより深く印象を付けられる新しい表現を目指した。２つの画面ではこれまでの私の作品や私自身への評価による「共感」や「可能性」といった「良い印象」と、「反感（無関心）」や「危険性」などの「悪い印象」によって生まれた形が二極化された世界観として描かれている。シンボル（テーマから想起された主体の形）は崇められたり、貪られたりと様々な扱いを受けている。しかし鑑賞者によっては物見の行列にも、革命の活劇にも見え得る。そうした何にでもなり得る何者でもない形たちから共感や捉え方における良さとその反面性によってどちらがどう「悪くて」「良い」のかという良識の境界線の曖昧さを再認識させる表現を得た。(卒業研究レポートより)
制作スケッチ